演奏を終え
椅子から腰を上げた僕。
歌いながら気になっていた
お花の前に行き、しゃがみ込む。
風が一切、吹いていないのに
この桃色の薔薇だけが、
僕の歌声に合わせて揺れていたよね?
そう言えば、最後に会った日、
うるるんが言っていた。
生まれ変わるなら、
僕の屋敷のガーデンに咲く
お花になりたいって。
そっか。
そう言うことか。
この桃色の薔薇に生まれ変わって、
こんなに近くで、僕のことを
見守っていてくれたんだね。
今も、僕の歌声を聞いて
『私に気づいて!』って
必死に揺れていてくれたんだ。
嬉しいよ。
たとえ、お花の姿でも。
おしゃべりができなくても。
すぐに、枯れてしまうとしても。
生まれ変わって、僕のところに
会いに来てくれた。
その想いが、死ぬほど嬉しい。



