「雨璃の中に、抱えきれない
メイドへの想いがあるならさ
叫ぶんじゃなくて、
曲として届ければよくね?」
「……えっ?」
……曲??
「メイドを想って、授業中に
ニヤつきながら作ってたあの曲。
メイドの誕生日用だっけ?
歌詞まで当てたんだろ?
誰にも聞かれず無かったものにされたら、
曲も浮かばれねぇよなぁ」
「うわぁぁ……
すっかり忘れてた……」
「忘れてただぁ?
俺らギリ未成年だぜ。
ボケるには、まだ早ぇぇよ」
「ボケてないから!」
「オマエが作った曲。
メイドへの気持ちを込めて、
月に聞かせてやれば?
俺みたいに『キモイ歌』って、
毒舌ツッコミされることもなく、
聞いてくれると思うぜ」
キモいなんて、酷っ!
でも……
「桜牙って、
意外とロマンチストだね」
「そう言うことをポロっという男に、
璃奈は惹かれるんだよ」
「アハハ。
好きな子に全力を注げる桜牙が、
羨ましいよ」
「だろ?
こう見えて俺様は
璃奈が俺に夢中になるトラップを、
至るところに仕掛けているからな」
「トラップって……」
それ、どや顔で言うセリフじゃ
ないからね……



