「だからさ
こういうのはどうかなぁ?」
「ん?」
「毎晩このガーデンで、
僕がお月様に向かって叫ぶの」
「何を?」
「うるるん、大好き~~~!!!!!
って」
「却下」
「えぇぇ? なんで?」
「月は、手なんて無いだろ?
オマエの恋心を毎晩叫ばれたら、
耳が塞げない月が、哀れだろうが!」
「お月様に手が無ければ、
耳もないから平気だと思うけど」
「耳はあるんだよ」
……
なに、それ。
桜牙のヘリクツ。
「雨璃の魅力は、どっかの国の
王子並みに品がある笑顔だろうが。
泣きながら下品に叫ぶとか、
オマエの価値を下げるだけだろ?」
「今のって、僕を褒めている?」
「けなしてんだよ。100%な」
そんなこと言って……
今、珍しく
僕の魅力を言葉にしてくれたじゃん。
本当に桜牙って
照れ屋な天邪鬼なんだから。



