999個。
全てのろうそくに
火をつけ終えた僕。
しゃがんだまま、桜牙をチラり。
ベンチで長すぎる足を組み
月を見上げる桜牙の姿に、
僕の頬が緩む。
最近ね、僕は
気がついたことがあるんだよ。
親友の桜牙は、
やっぱり僕にとって
特別なんだって。
僕は高校で、生徒会長として
みんなに笑顔を振りまいてきた。
嫌われたくないし、
無駄なイザコザに
巻き込まれたくなかったからね。
そのおかげもあって、
桜牙以外の友達も、たくさんいたよ。
それでも桜牙が特別なのは
僕は桜牙の前では、
好きな自分でいられるからなんだ。



