ミルフィーユ王子はキュン死しそう



「嫉妬で心が痛むのを、
 必死にごまかしてみたけれど。

 さっき、桃ちゃんをお姫様抱っこしながら
 お屋敷に入って行くアメリ様を見て、
 もうごまかせないって思いました」



あれは……

「桃ちゃんが、泣き疲れて寝ちゃったんだ。

 義理の父親がいる家に帰すのが怖くて、
 それで……
 我が家に連れてくるしかなくて……」



「アメリ様は、本当にお優しいですよね?
 困っている人全てに
 手を差し伸べようとする。

 でも、私は違うんです。

 私だけに優しくして
 欲しいのにって思っちゃう、
 悪魔みたいな心の自分がいるんです」



「……」



「こんな醜い自分に、なりたくなかった。

 大好きな桃ちゃんが幸せになることを、
 純粋に願える親友でいたかった。

 でも……

 思っちゃうんです。
 嫉妬しちゃうんです。
 
 だって私は幽霊で……
 人間と同じことができないから……

 アメリ様に卵焼きを焼くことすら
 二度としてあげられないから……」




ちょっと待って。

本当に、誤解しないで。



「僕は、卵焼きを焼ける人と
 付き合いたいんじゃない。

 人間と付き合いたいとも思わない。

 うるるんだから。

 僕の心に虹を駆けてくれた
 うるるんだから

 ずっと一緒にいたいと
 思っているんだよ」



僕もうるるんの心に

幸せの虹をかけてあげたいんだよ。