「私は子供の頃、大嫌いだったんです。
お月様のこと」
「なんで?」
「家を追い出され、
夜の公園に一人ぼっちになるたび、
ずっと月を眺めていましたから。
月を見ると、あの時の
惨めな自分が蘇っちゃうんです」
「そうだったんだね」
「でも、今は好きですよ。
お月様がいてくれたから
心が折れずに済んだのかもしれないって
思っていますし。
それに……」
それに?
「お月様を眺めていると、
離れているアメリ様も、同じお月様を
見ているのかなって想像して、
心がじんわりと温かくなりますから」
ひゃぁぁぁ。
瞳が見えなくなるほど
とびきりの笑顔を、僕に向けないで
知ってる?
僕ね、君の笑顔に弱すぎなの。
あまりに可愛くて、
僕の心がくわぁぁぁって
とろけそうになるんだから。



