『お願い、
そのカッターを僕に渡して』
『私がどうなったって、
雨璃さんには関係ないですよね?』
『桃ちゃんがお母さんと
二人で幸せに暮らしていけるように、
僕なりに努力するから』
『もう私のことは、
放っておいてください!』
わわっ。
カッターの刃を動かさないで!
『お願いだから、
カッターをしまってってば。
話しなら、
僕がいくらでも聞くから!』
泣きじゃくる桃ちゃんを
なだめて、なだめて。
無理やり桃ちゃんから
カッターを奪うのに成功した僕。
はぁぁぁ。
良かったぁぁ。
安堵のため息が、口からこぼれる。
でも桃ちゃんは
まだヒートアップ中で
『もう私に、
変な期待をさせないでください!』
涙目で僕を睨むと
『この公園にも、
二度と来ませんから!』
僕を見限ったように、
雨の中を走り去ってしまった。



