深夜0時過ぎ。
無駄に広い庭を駆け、
門の横にある
人が通れるほどの扉をつぐり、
僕は敷地の外の道路に出た。
キョロキョロ。
辺りを見回してみるも
大好きな子の姿は、どこにもない。
……うるるん。
もう、帰っちゃったってこと?
もう少しだけ待っていてくれれば、
心の底から溢れる、僕の熱い想いを
キミに伝えることができたのに……
落胆。
わかりやすく落ちる肩。
うるるんに会えると期待しすぎたせいで、
寂しさの矢が、僕の心を痛めつけてくる。
屋敷に戻ろう……
そう思って、庭に入る
扉のノブを掴もうとした時、
「アメリ……様……」
大好きな声が、
僕の神経を震え上がらせた。



