「雨璃さんって、
成績が学年トップなんですよね?」
「脳の出来がいいわけじゃないよ。
父さんの期待に応えるために、
必死に勉強しているだけだから」
「今日の数学の宿題、
どうしても解けない所があるんですけど。
教えてもらえませんか?」
「桃ちゃん、ごめんね。
教えてあげたいところなんだけど、
僕、もう行かなきゃいけなくて」
「……そう……ですよね……
図々しいこと言っちゃって、
本当にごめんなさい」
「そ…そんな、謝らないで。
宿題なら、
今日中に何とかしなきゃだよね?」
「雨璃さん、大丈夫です。
教科書広げて、
自分で何とかしますから」
「今夜じゃ、だめ?」
「えっ?」
「習い事が終わって家に帰ったら、
桃ちゃんに電話をするよ。
テレビ電話なら、
わからない問題も教えてあげやすいかも」
「そ…、そんな。
忙しいのに、いいんですか?」
「もちろん。
わかりやすく教えられるかわからないけど。
僕で良ければ、勉強くらい頼ってよ。ねっ」



