「今までは、
父に従うことしかできなかったけど。
雨璃さんが、
父との戦い方を教えてくれたお陰です」
「今、弁護士の先生が
桃ちゃんとお母さんが幸せになれるように、
あらゆる手を尽くしてくれているから。
もう少しだけ、我慢してくれる?」
「雨璃さん。
本当にありがとうございます」
二本の三つ編みが揺れるほど、
桃ちゃんが丁寧に頭を下げた。
桃ちゃんの礼儀正しい行動が
癒し動物並みに可愛かったんだろう。
「うわっ。
頭下げるとか、やめてよ。
僕はたいしたことを
していないんだから」
アメリ様は取り乱したように
顔と手をオロオロと振っている。
相合傘に収まる
アメリ様と桃ちゃん。
それはまさに、恋人の距離。



