「でも人間って、限界があるでしょ?
仕事を掛け持ちして働いても、
毎月赤字。
お金に困っていない
幸せな主婦たちから
みすぼらしい服を着せられて、
ウルちゃんがかわいそうって
陰口を言われる。
娘を幸せにしたい気持ちが、
どんどん削られていって。
働いても働いても、
借金は膨れ上がって。
どうしようもできなくなって。
男に頼り。依存し。
捨てられ。別の男を求め。
また捨てられ。
精神が破壊寸前で、
娘との入水自殺を
選んでしまったのですよ」
「……」
「死んだ母親の魂を、
人間界まで迎えに行ったのは私です。
その後、施設に引き取られた
人に全く心を開かない
死人のようなウルを見て、
ずっと大泣きをしていました。
こんなはずじゃなかったのに。
ウルが生まれた時には、
女一人でも
この子を絶対に幸せにするって
誓ったのにってね」
「……」



