・ ・ ・
過去の思い出に心臓が乱れる中、
僕は夜空を見上げた。
相変わらず
うるるんを抱えたまま、
ギルアが空に浮かんでいる。
僕は余裕の笑みを浮かべ、
彼に、穏やかな声をこぼした。
「僕は、自分の名前が大好きなんだ。
忌々しい名だとは思ってないよ」
あの時のうるるんが
『雨が好き』
って、言ってくれたからね。
「そうですか。
では、
忌々しい名というレッテルは
私の脳から排除いたしましょう」
ギルアが、上空から舞い降りてきた。
地面を踏みしめ、
うるるんを抱きかかえたまま
僕に向かって歩いてくる。
そして僕の前で
長い足をピタリと止めた。
「私はアメリに、お伝えしなければ
いけないことがあります」
「……なに?」



