さっきまで膨れ上がっていた幸福感。 ぐちゃぐちゃに踏みつぶされ、 彼女を失う恐怖が 高波のように襲い掛かってくる。 慌てて、椅子から立ち上がった直後 僕の体が動かなくなった。 まるで、時間が強制的に止められたように。 だって 背後から僕の耳に 「あなたは、 ウルを幸せにできませんよ」 僕の神経が震え上がるほど冷酷な声が、 吹きかけられたから。