ミルフィーユ王子はキュン死しそう




慌てる私に、噴水の淵に立つアメリ様が

優しく微笑んだ。



満月に重なる、無垢な笑顔。



本物の王子様が

童話から出てきたようなワンシーンに、

私の心が、吸い込まれてしまいそうになる。





「うるるんの中では、まだ、
 僕の家のメイドでいてくれているの?」



「わっ。
 立場をわきまえず、申し訳ありません。

 亡くなった日が、
 最後のお勤めだったのに……

 まだ、百合園家の
 メイド気分が抜けていなくて……」



「いいよ」



「えっ?」



「ずっと僕だけのメイドでいて。

 僕は君だけのご主人様になって、
 うるるんを笑顔にすることに
 全力を注ぐから」





さらに、目尻を緩めたアメリ様に

私の心臓は、激しく飛び跳ねだす。




アメリ様は

サラサラの髪をなびかせながら

噴水の淵を3回転すると、


ぴょんと地面に着地をした。





「やっぱりブランクがありすぎかぁ。

 ターンで一周回っていたら、
 確実に水の中にバシャんだったよ。
 アハハ~」