色とりどり薔薇だけでなく、
いろんなお花が煌めく、この場所は
広いお庭の真ん中に、噴水があって、
なぜか今は、噴水の前に
グランドピアノが置かれていて、
ライトアップまでされている。
「あのピアノって……」
「僕の部屋のピアノをね、
ここまで運んでもらったんだ」
黄金の満月がピアノを照らす
ロマンチックな光景に、心が跳ねる。
私の隣には、
童話から出てきたような
正統派の王子様が、ニコり。
「今宵は、僕がうるるんに、
魔法をかけてあげるよ」
「魔法……ですか?」
「そう。
世界一幸せなお姫様になれる、
特別な魔法をね」
「わ、、、私は、お姫様と呼ぶには
みすぼらしすぎるというか……
一般人以下というか……」
生みの親に
首を絞め殺されそうになったくらい、
ろくでもないダメ人間というか……
「もう、うるるん。暗い顔しないの!」
「ですが……」
「僕がお誕生日をお祝いした気持ち、
迷惑だった?」



