自身の耳を疑うような発言は、けれど彼の手がふくらはぎを撫でる感触に現実だと知らしめる。
聞きたくない、理解したくないと脳が拒否反応を起こす中、ヘルメットを強制的に外されて視界が明るくなる。
「ここに来た時点で君はもう俺たちの寵姫になったわけだ。残念だったねぇ、棗ちゃん」
首筋をレオの長い指が這い、その指が耳にかかるより先にパッと離れていく。
取り返しがつかないことをした。脳内に響く警鐘が頭痛を引き起こすものの、もう遅いのだと笑う倖と目が合う。
やめて、と漏れた声に最早これまでの許容なんて持たせられるわけがなかった。
「ねぇ、どうして線を越えようとするの」
下から覗き込む蒼も無視して立ち上がり、こんなところから一刻も早く出て行こうとする。制止の声に耳を貸すほど余裕なんて残っていないのだ。
しかし、扉へと手を掛けようとしたところに滑り込んでくるレオ。行かせられないと笑む彼は油断しているのだから、あまりにも警戒をしていなさ過ぎた。
そのままするりと彼の手を取り、戸惑う暇さえ与えずに腕を掴んで勢い良く背負い投げをした。
痛みに綺麗な顔を歪めるレオを見下ろしている私を、信じられないと言った表情をしていた面々を嘲笑してやりたくなる。毒を持ち込んだのは自分たちだというのに、あまりにも楽観的な態度を取るその姿にどこか苛立ちが入り交じる。
「なっちゃん、おいたはイケないことだよ」
これまでの甘えたような声色とは変わり、怒気を孕ませたその声は蒼のものであり、私を見る青い瞳に敵意が揺れている。
聞きたくない、理解したくないと脳が拒否反応を起こす中、ヘルメットを強制的に外されて視界が明るくなる。
「ここに来た時点で君はもう俺たちの寵姫になったわけだ。残念だったねぇ、棗ちゃん」
首筋をレオの長い指が這い、その指が耳にかかるより先にパッと離れていく。
取り返しがつかないことをした。脳内に響く警鐘が頭痛を引き起こすものの、もう遅いのだと笑う倖と目が合う。
やめて、と漏れた声に最早これまでの許容なんて持たせられるわけがなかった。
「ねぇ、どうして線を越えようとするの」
下から覗き込む蒼も無視して立ち上がり、こんなところから一刻も早く出て行こうとする。制止の声に耳を貸すほど余裕なんて残っていないのだ。
しかし、扉へと手を掛けようとしたところに滑り込んでくるレオ。行かせられないと笑む彼は油断しているのだから、あまりにも警戒をしていなさ過ぎた。
そのままするりと彼の手を取り、戸惑う暇さえ与えずに腕を掴んで勢い良く背負い投げをした。
痛みに綺麗な顔を歪めるレオを見下ろしている私を、信じられないと言った表情をしていた面々を嘲笑してやりたくなる。毒を持ち込んだのは自分たちだというのに、あまりにも楽観的な態度を取るその姿にどこか苛立ちが入り交じる。
「なっちゃん、おいたはイケないことだよ」
これまでの甘えたような声色とは変わり、怒気を孕ませたその声は蒼のものであり、私を見る青い瞳に敵意が揺れている。
