そりゃあそうだ。私はこれでも鬼龍を率いていた身なのだから。
「……確かにあなた達は人気者かもしれない。けれど、全ての人があなた達に好意を寄せるわけじゃないの。詮索してお友達ごっこなんて、心底気持ち悪い」
それはきっと彼等の固定概念でもあった。確立された地位は、誰ともなしに与えられる肯定を示される。けれどそれは単なる虚像だ。そこにあるのは虚構で、本物なんてほんの一握りのあってないような砂粒なのだ。
だから、私は――。
それが肯定だというのなら。
「私はあなた達のこと大嫌い」
それらすべてに否定をする。
呆気に取られてか、はたまた私の殺気によるものか。否、両方だろう。動けない蒼と玲苑を置いて扉を閉めた。
目指す場所なく歩き始め、そんな私を嘲笑うかのように吹き込む風。ささやかな風は私の髪を弄び、穏やかに通り過ぎていく。
殺気、なんて出すもんじゃなかったという後悔に、今更苛まれる。何もかもいつだって“今更”が付き纏い、自身の行動の軽率さをより強く自覚させられ、行所のない憤りが燻る。
そんな宛もなく歩いていて、漸く見つけた暇潰し場所は、閑散とした図書室だった。
こんな学校でもやはりあるのか、と失礼な感想をしつつも、これは率直な感想であり、この学校の有り様を見れば誰しも思うだろうと、誰にするわけでもない言い訳を並べ立てる。自己弁護、というやつだ。
なんて、図書室を見つけたせいで博識ぶるが、大して私に備わるのは凡庸なものだけ。
「……確かにあなた達は人気者かもしれない。けれど、全ての人があなた達に好意を寄せるわけじゃないの。詮索してお友達ごっこなんて、心底気持ち悪い」
それはきっと彼等の固定概念でもあった。確立された地位は、誰ともなしに与えられる肯定を示される。けれどそれは単なる虚像だ。そこにあるのは虚構で、本物なんてほんの一握りのあってないような砂粒なのだ。
だから、私は――。
それが肯定だというのなら。
「私はあなた達のこと大嫌い」
それらすべてに否定をする。
呆気に取られてか、はたまた私の殺気によるものか。否、両方だろう。動けない蒼と玲苑を置いて扉を閉めた。
目指す場所なく歩き始め、そんな私を嘲笑うかのように吹き込む風。ささやかな風は私の髪を弄び、穏やかに通り過ぎていく。
殺気、なんて出すもんじゃなかったという後悔に、今更苛まれる。何もかもいつだって“今更”が付き纏い、自身の行動の軽率さをより強く自覚させられ、行所のない憤りが燻る。
そんな宛もなく歩いていて、漸く見つけた暇潰し場所は、閑散とした図書室だった。
こんな学校でもやはりあるのか、と失礼な感想をしつつも、これは率直な感想であり、この学校の有り様を見れば誰しも思うだろうと、誰にするわけでもない言い訳を並べ立てる。自己弁護、というやつだ。
なんて、図書室を見つけたせいで博識ぶるが、大して私に備わるのは凡庸なものだけ。
