「俺は3-S、深景 倖です。狼嵐の副総長を務めてます」
年上なのに腰の低い、敬語を話すが、その苗字にどこか聞き覚えがある。思い出すよりも先に彼は、「あなたの担任の弟です」と、考えを汲んでくれた。
そう言われれば、似ているような気もしなくもない。けれど、どこが似ているかと聞かれても、分からないところが微妙だが。
次は、と倖がその隣の男へと促すが、無愛想なのか無口なのか、気だるそうにも見れる態度。
「……霧島 修人」
恐らく彼も3-Sなのだろう。その目付きの鋭さに、勘が鋭そうで嫌だなと思う。
その口数足らない自己紹介に、倖は補足として彼が総長なのだと付け加えるが、特に驚きもなく曖昧に頷くだけの相槌を取る。
正直どうでもいいと言いそうになるのを呑み下し、その先を待つ。できることなら早く終わらせてしまいたい。
「驚いたりとか、特段何も無いんですね」
漏れ出た言葉は不満か、単なる驚きか。どちらにせよ、倖のその発言に何が嬉しいのか、顔を輝かせる蒼とレオ。
「そうなの! だから僕気に入ったの!」
「吃驚したよ〜。最初俺らが狼嵐って言ったら、それで? だけで終わりだぜ?」
蒼とレオのその自慢話のようなそれに、またもや目を丸くする倖。
それ以上の感想を持ち得なかったのだから仕方ないことなのに、どうしてそんなにも喜ぶのか理解に及ばない、気に食わないと愚痴りたくなる。
そしてこっちに同意を求めるように視線を投げないで欲しい。その視線から逃れようとそっぽを向けばいくらか楽になる。
年上なのに腰の低い、敬語を話すが、その苗字にどこか聞き覚えがある。思い出すよりも先に彼は、「あなたの担任の弟です」と、考えを汲んでくれた。
そう言われれば、似ているような気もしなくもない。けれど、どこが似ているかと聞かれても、分からないところが微妙だが。
次は、と倖がその隣の男へと促すが、無愛想なのか無口なのか、気だるそうにも見れる態度。
「……霧島 修人」
恐らく彼も3-Sなのだろう。その目付きの鋭さに、勘が鋭そうで嫌だなと思う。
その口数足らない自己紹介に、倖は補足として彼が総長なのだと付け加えるが、特に驚きもなく曖昧に頷くだけの相槌を取る。
正直どうでもいいと言いそうになるのを呑み下し、その先を待つ。できることなら早く終わらせてしまいたい。
「驚いたりとか、特段何も無いんですね」
漏れ出た言葉は不満か、単なる驚きか。どちらにせよ、倖のその発言に何が嬉しいのか、顔を輝かせる蒼とレオ。
「そうなの! だから僕気に入ったの!」
「吃驚したよ〜。最初俺らが狼嵐って言ったら、それで? だけで終わりだぜ?」
蒼とレオのその自慢話のようなそれに、またもや目を丸くする倖。
それ以上の感想を持ち得なかったのだから仕方ないことなのに、どうしてそんなにも喜ぶのか理解に及ばない、気に食わないと愚痴りたくなる。
そしてこっちに同意を求めるように視線を投げないで欲しい。その視線から逃れようとそっぽを向けばいくらか楽になる。
