「――だからなんだ? 俺らは“勝手に”お前を守る。そこにお前の都合を入れることは無い。決まったことだ」

 あまりにも堂々と言うもので、言葉を失ってしまう。
 死にたいと言っているようなものであるとどうして分からないのか。頭が真っ白になりそうになりながら、なんとか思考を纏めて声を荒らげる。

「馬鹿なの!? 死ぬかもしれないの、全員」

「それならそれでお姫様のためだから、僕たちにとっては名誉の死なんじゃなーい?」

 蒼の声は弾んでいるようで、楽観的なその態度に脳が早々に諦めろと判断する。レオと倖も恐れを知らないからか、それがどうしたとでも言いたげな顔をしている。
 親近感を覚えたのもつかの間、深い溝を彼らとの間に見せられてしまえば理解されることはないのだと思い知る。
 それならば手段を変えるしかないだろう。
 わかった、と溜息混じりに口にすれば蒼の目が輝いた。

「じゃあなっちゃんはお姫様ってことだ!」

「いや、それは無理」

 姫として他の族に知られるわけにはいかない。
 心葉たちの耳に入りでもしてみろ。彼らは絶対に乗り込んでくる。なぜかキレながら。
 問答無用で蹂躙される様を見ているのも後味悪いというか、普通に見たくないのだ。

「そうじゃなくて、......友達になれないかな?」

 彼らが守る対象となる一般人の枠を出ず、かと言って姫などと言うあらゆる意味で危ない名称などつかないことを考慮し、最大限の譲歩をした結果がこれだ。