私が勤務するホテルもクリスマスイルミネーションが準備され、華やかになっていく。

 隣の広場では期間限定のクリスマスマーケットも開かれ始めた。


 その中の一つのテントへ入り、私と向日葵はホットワインとおつまみセットをオーダーする。

 温めてられたワインは、喉にアンコールがグッと染み渡たり。


 “お腹の中が熱い” もう一口飲むと目をギュッとしたくなる。お酒は余り得意ではないけど、この時期はやっぱり雰囲気で飲みたくなるなぁ。


   “弱いのに”


 『で、大切な話しって何?とうとう先生と結婚とか?だったら祝福しちゃうよ!!』


 ワクワクしながら私の顔を覗き込む。


 まだ〜そこまでは…まぁ…。


 雅姫さんから足利へ行った時伝えられたこと、それは来年の春一緒にアメリカへ行こうと言われた。


 雅姫さんは外科医としてもっと腕を上げるため、そして私の夢のためにと。


 結婚とか具体的な話は無いけれど、彼の中では、私と一緒に行くと決めている。


 私も離れるなんて、淋しすぎる。一人で帰りを待つなんて…出来そうにない。


 雅姫さんがアメリカでは今以上に寂しい思いをされる、だから覚悟もして欲しいと…。


 私がもし、運よく夢のホテル勤務が出来たら、もっとすれ違いなる。


 心が複雑になって、落ち込みそう。


 向日葵へ全て話をした。


 向日葵は一口ワインを飲み、しっかりと私と目を合わせこう言ってくれた。


 『行っておいで…。お互いすれ違いで寂しくて、泣きたくなることもある。それでも桜陽なら大丈夫!もういろんなことを、乗り越えられたから。先生が一緒なら絶対大丈夫だよ』


 私の両手を握りながらもう一度。


 『桜陽なら大丈夫!…だって私の大好きな親友だから…、でも寂しいよ!』


 『嬉しいけど、あ〜やっぱり、さみしい〜い』


 お互いに涙が溢れてきて…、『よし、今夜は飲もう!!』



 その日の夜は、酔っぱらいの私を雅姫さんは、優しい受け止めてくれました。