『……おかえり桜陽』

 夢を見ているの?目の前には雅姫さん?が、私の目には写って見える…。

 手を伸ばせばギュッとに握りしめてくれて。あ〜…きっと夢、私にとって都合のいい夢なら幸せを噛みしめてもいいよね。


 嬉しい、雅姫さんに会えた。彼が私に笑顔を向けてくれ、だから私も笑顔で答える。

 
 こんな日がまた訪れるなんて素敵な夢。


 「……夢だよね」言葉が漏れた。


 『違うよ現実だ、……お帰り桜陽』


 “……っえ!”


 『俺の心臓の音を良く聴いて、どれだけ今緊張しているか、もう一度抱きしめられた事を嬉しく、心臓が壊れそうなほど高鳴っているか、分かってくれるか』


 …雅姫さんの強くて早い音、伝わってくる。あったかい…。

 私が溶けそうなほどの熱。


 大好きな人の腕の中。嬉しさで声が震えてくる。


 『これからゆっくり大切な話をしよう、二人で幸せになるために。』


 “違う!ダメ、私は強くならなくちゃ、一人でも立っていられるように。