『もし、アメリカ行きが決まったら俺も一緒に行く、向こうで外科医としての技術をもっと磨きたい』

 先生の真剣な顔。

 『だから一緒に行こう!、アメリカでも多分時間のすれ違いだろう、それでも桜陽と一緒なら乗り越えられる、そう信じてる』

 
 『……って、俺が離れたくない…、だから諦めろ、今まだ無理かも知れない、それでも少しずつ俺を受け入れてくれたら…』


 強引に言っておいて、ちょっと不安な声。キライと言えたなら…楽になれるのに…。


 過去に戻りたい、先生を傷つけたくない、不幸になんてもっとイヤ…!


 先生の胸に顔を埋めて唇を噛み締め、先生の服をギュッと掴む。


 ……不幸にしたくない。


 どう伝えたら、分かってくれる?

 …あきらめてくれるの?涙が出そう。


 潤んだ目で先生を見る、話さなきゃ。