あれ、向日葵さん?


 どうして病院へもしかして体調が悪いのか?でもそんな風には見えないが。


 目と目があい彼女も俺に気が付いてくれたらしい。


 『城田先生お久しぶりです』


 相変わらず明るい人だ。


 「向日葵さん、まさか診察ですか?」


 『お客様の忘れ物を届けに来ただけです』
 

 彼女に会えたのはチャンスだ!


 「…あの桜『桜陽のことなら何も話すことは無いですよ』
  

 “…っえ”俺は驚き目を見開いた。


 『そういう事なので、先生短い間でしたが桜陽をありがとうございました、では失礼します』


 彼女は一礼してくるっと後ろに向き帰ろうとした。


 「待って下さい!」


 向日葵さんは俺をじっと見ながら


 『今、桜陽は大切な時期なんです。先生だって仕事を邪魔するような女性は困りますよね』


 そう言って
 軽く挨拶をして出口へ歩いて行った。


 どう言う意味なんだ。まるでクギを刺された気分だ。