気がつけば憧れの真っ白な教会の入口、目の前にはグレーのタキシードを着こなした雅姫さん。

 太陽の光りをキラキラと浴び、王子様に見える。


 私は目隠しをされている間にAラインの純白のウエディングドレス姿になり。肩の空いた、ウエスト切り返し部分の右側には大きなリボン。


 サイズはピッタリ!凄くカワイイ。


 いつから準備をしていたの?
 エステに行かせたのはこの為?


 それより一番聞きたいことは!


 まるで雅姫さんは私の頭の中を読んだように、優しい顔をで…


 『桜陽はここで結婚式を挙げるが夢だったんだろう?それをアメリカに行く前に叶えたかった。桜陽の夢は俺の夢でもあるから…』


 私の頬から一筋の涙が流れ
。嬉しくて、嬉しくて。雅姫さんの顔が涙で滲んで見えないよ。


 『こらこら、せっかくこんなに綺麗してもらったのに、泣いたらだめだろう』


 大きな手で優しく涙を拭ってくれる。


 『最高に綺麗だ!!』

 雅姫さんも素敵です!!


 『この場所で桜陽にこれからの全てを誓いたい』


 雅姫さんの真剣な瞳。


 「お時間です!」スタッフさんからの声とともに、白薔薇とユリの真っ白のウエディングブーケを手渡される。


 あ〜キレイ!


 雅姫さんと腕を組み、重厚な扉がゆっくり静かに開いていく。


 中からはピアノの曲が流れはじめ、真っ赤なヴァージンロード!


 一歩、一歩と、拍手の音。


 ……っえ、うそ、うそ!