どれくらい時間が立ったのか分からない。雅姫さんは何処にいるのだろう。絶対来てくれるよね。

 私を一人になんて…置いていかれた、考えもよぎってくる。


 でも、迎えにくると言っていたから信じるしかない。


 『桜陽、遅くなった迎えに来たよ』


 私は安心したのか、目隠しの下から涙が溢れて落ちていく、不安で不安で震える手で雅姫さんに抱きついた。


 『不安にさせて悪かった。もう泣くな、もう少し我慢してくれ、移動するぞ』


 雅姫さんは私を抱き上げ、今度は車椅子に乗せられる。


 『しっかり掴まって、急ぐぞ』


 何が、どうなっているの?質問しても何も答えくれない。いつまで目隠しをされたままなの?私の不安を消してよ!


 『さぁ…着いたぞ』


 やっと目隠しを外され、目がチカチカして視界がまだハッキリしてこない。


 やっと目の前にいた雅姫さんの顔を見ることができた。


 『周りを良く見てごらん』


 “ っえ ”


 『もっと良く見るんだ』と


 ハッキリしてきた視界で見えてきたものは……信じられない。どうしてここに!

 感動を通り越して、声さえも出なかった。