泥甘な恋に溺れて




うぅ奏くんにはお見通しだ....





でも、お手を煩わせちゃいました。




「桜良、今度からは言ってね?桜良の手が冷たくなったりするのは僕が嫌なんだ....」




奏くんが嫌.....?




奏くんが嫌なのは私も嫌!



「わかりました!今度は必ず言いますっ!」



「うん、いい子」



握られていない方の手で頭を撫でられる。




今ので一気に体温が急上昇。



「僕の家へ着くまで手を握ったままだったらきっと温かいよね」



そう言うと奏くんは自分の着ているコートのポケットに私の手を繋いだまま入れた。




まるでカップルみたい....



なんて身の程を弁えずに考えてしまう。



奏くんは私の手があまりにも冷たかったからしてくれただけ!




と自分に言い聞かせた。