泥甘な恋に溺れて


「か、奏くん!」



どうして.....



「どこにもいないから帰っちゃったのかと思ったよ」



爽やかな笑顔を浮かべる奏くん。



私を、探してくれたの....?



それだけで胸がきゅんと音を立てる。



さっきのステージからでは見えなかった奏くんの格好.....



白のスーツがまるで本の中から出てきた王子様のよう....



髪型もいつもと違う....



ポーっと見惚れる。





「桜良、僕にファーストダンスをくれませんか....?」


スっと手を差し出されダンスを申し込まれる。


本当ならすぐにその手を取りたかった。


だけど一つ気になることがあって取れなかった。



「....桜良?」



不思議そうに見つめられる。



「奏くん....一日目に一緒にいた人は恋人ですか?」



こんなこと聞いてはいけないことは重々承知だ。



でもずっと、どこかでモヤモヤしてた。


奏くんの反応が気になる....



「....違うよ、」


「じゃああの女性は.....」


「あぁ多分桜良が見たのは道聞かれた女性じゃない?」



道聞かれた.....?


じゃあ私の勘違い....



「ご、ごめんなさい」


恥ずかしい.....


1人で勘違いして....