「桜良、寒くない?」
そう言うと彼は私の頬を包むように触って心配そうに顔をのぞき込む。
きっと私がドキドキしてることを奏くんは知らない。
「へへっ大丈夫です」
包まれた頬の手を重ねて触る。
「ね、温かいでしょ?」と奏くんに伝える。
そうすると奏くんは「ほんとだ」と言って柔らかく笑う。
「奏くん、早く本屋さんに行きましょ」
「そうだね、こんな所にずっと立ってたら寒いもんね」
そう、今日奏くんとは一緒に本屋に行く約束をした。
奏くんにいい参考書を選んで欲しいとゆう口実で......
本当は一緒に出かけたかっただけ....



