クルッと振り返り杉下さんが待っているであろう所まで歩こうとした時。
「あっ......」
少し出っ張っていたところにつまづいた。
こ、転ぶ────
ギュッと目を閉じて転ぶのを覚悟した。
「あっぶね、大丈夫か?」
転ぶ直前優くんが私の腰を掴んで自分の方へと引き寄せてくれた。
「は、はい...大丈夫...です...」
急なことにびっくりして目をパチクリさせる。
「優くん受け止めてくれてありがとうございます!」
一瞬思考が完全に停止してしまってお礼を言うのが遅くなった。
「ほんと桜良は危なっかしいな」



