泥甘な恋に溺れて




奏くん....遠いよ、






いつもよりずっと遠い。








煌びやかなスポットライトを浴びている奏くんとその隣にいる綾小路さん。








誰もが知っている綾小路財閥。






東雲財閥と肩を並べるほどの巨大財閥。







やっぱり私じゃ釣り合わないんだ。





遠くから2人の姿を見る私はふさわしいのかもしれない。






むしろ奏くんの隣にいた方が不釣り合いだった。







そうやって自分に言い聞かせて物わかりのいい子なら良かった。




無理だよ....、





できない。





今更諦めるなんてできない!







なんで?





なんで婚約なんかしたの!







奏くんを見つめると不意に目が合う。







奏くんはバツの悪そうな顔をしている。





「もう、無理....ボソッ」









みんなが2人の婚約を祝福している中私は会場を飛び出した。






「おいっ!桜良!」





優くんの声が聞こえたけど気にせず飛び出した。