泥甘な恋に溺れて





「桜良、」






「奏くん、卒業おめでとうございます...」





中学の時は涙が止まらなくてちゃんと言えなかった言葉。




今度は笑顔で伝えられた。





「ありがとう」






奏くんも嬉しそうに微笑んでくれる。







私から掴んだ手はいつの間にか奏くんが握り返してくれていて





そういうちょっとした仕草に胸が高鳴る。








「奏くん、良かったらお写真撮りませんか?」






今日を記念に残しておきたい。








「うん、撮ろうか....」






あの頃(中学)よりは2人とも成長した姿で写真に収めた。







「ありがとうございます奏くん!」





一緒に撮れて嬉しい....




「あ、そうだ!桜良良かったら貰ってくれない?」





そう言うと奏くんは自分のブレザーの第二ボタンを手でブチッと外した。





え、これって....っ





ボタンを握りしめた手を差し出されて私はそっと手を差し出した。






「貰ってもいいんですか?」





「うん、桜良に貰って欲しい....」






嬉しくて、嬉しくてもう胸がいっぱい。