2週間とはあっという間に過ぎ去った。
そして卒業式当日。
祝辞を読む奏くんの姿にあぁ、これで最後なんだと実感させられた。
最初から最後まで完璧にやりきる奏くん。
祝辞が終わると盛大な拍手が会場を包んだ。
全てのプログラムが終わると外でみな写真撮影を始めた。
人混みの中で奏くんの姿を探す。
人が溜まっているところが1箇所ありその中心には奏くんの姿が....
いつもならこの人混みの中を割いてまで奏くんの傍には行かない
人怪我なくなるまで待ってからそばに行くだろう.....
だけど今日は
最後だから──
「奏くん!」
人混みを割いて奏くんの手を掴む。
一瞬びっくりした顔をする奏くんは私だってことがわかると柔らかく笑った。