泥甘な恋に溺れて



少し複雑そうな顔をする。






スっと私のところから離れて向かいの席へと座る。






奏くんは卒業したくないのかな....





受験が怖いとか....?






でも奏くんは中3の時点で行きたがってた大学の判定はA評価だった。





そんなに身構える必要はないはず....





「奏くん、もしかしてお気に触ってしまいましたか?卒業の話をしたらいやでも受験思い出してしまいますもんね」





奏くんの表情がずっと渋いままだったから私は言ってしまった。








「あーごめん違うんだ」





違う....?






「卒業したら桜良ともこうやって頻繁に会えなくなるのかなって、少し考えていたんだ」





「そうなんですね」





良かった〜





「うん、それに僕一年前に受験終わってるんだ」