泥甘な恋に溺れて




え、奏くん!?





掴まれた右手が熱い。





最近の奏くんは前よりもスキンシップが増えた気がする。





気のせいかもしれないけど、前なら学校で手を繋ぐなんてことしなかった。






なんで手を繋ぐの?って聞けばいいのに手を離したくなくて気にしてないふりをしてる。






ずっとこのままならいいのに....




そう望んでしまう。






「ねぇ桜良、久しぶりに家で勉強しない?」





唐突な奏くんの提案に一瞬嬉しさが込上げる。






だけど直ぐに冷静になった。





奏くんの家で勉強したいのは山々だけど、





奏くん、自分のお勉強だけでもいっぱいなのに私なんかとやったりしたら結局奏くんに勉強をみてもらうはめになってしまう。






そんなのダメ!






奏くんの足引っ張りたくない!






「えっと今日はっ──」






「桜良僕が桜と一緒にやりたいんだ、ダメかな?」