泥甘な恋に溺れて



少しずつだけど、充実した学校生活を送れている。








だけど、段々と奏くんの''卒業''が近づいてきている。





この充実した学校生活の中から奏君という存在が消えるのが寂しい.....







中学の頃も感じたことのある虚しさ。





奏くんが卒業していく度に彼がもっと遠い人に感じる。





いつも私はその後ろを追い掛けいる。







一人残った教室で私は何故か浸ってしまった。




1ヶ月、また1ヶ月と経つ度に、この寂しさが大きくなっている。






「桜良!おまたせ...」



生徒会の仕事を終えて私の教室まで迎えに来てくれた奏くん。





「奏くんお疲れ様です!」



もう2年の子に生徒会長の座を受け渡してもいい頃なのに





奏くんは任された仕事は最後までやりたいと受験ギリギリまで続けている。









「ごめんね待たせて帰ろうか...」





頭を軽くぽんぽんとして私の右手を取る。