もういいって、お前がされてたことに比べたら全然なのに....
桜良は桐崎の方へと近づき手を差し伸べた。
「私、萌奈ちゃんのこと大好きだったよ....例え、萌奈ちゃんは理由があって近づいたとしても私にとっては本当の友達だった」
こいつはどこまで優しいんだと思うほど。
俺だったらそんなことは言えない。
「あんたの、そうゆう偽善者ぶるところが大っ嫌いなのよッ!」
桐崎は桜良の手をパシッと弾いた。
「うん、ごめんね」
桜良が謝る必要なんか1ミリもないのに桜良は謝り続けた。
「ごめん、ごめんね....萌奈ちゃん....っ」
桜良の瞳からは涙が流れていた。
俺はただ見守ることしか出来なかった。
こっから先の結末はどうなるのか分からない。
桐崎は桜良になんて言うのだろう....
「なんで....なんで、桜良ちゃんが謝るのよ....っ」
次な出た言葉はとても弱々しかった。
さっきの威勢はどこへ行ったのかと思うほど。
「悪いのはどう考えても私なのに、ごめん...なさい....っ」
本当に今にも消えてしまいそうなほどの声量だった。
けれど確かに響いた。



