──えっ?
「君には無理だよ、諦めて」
「え、奏くん?」
「し、失礼しましたー!」
怯えた顔でサッと居なくなってしまった。
な、なんだったんだろう。
「ねぇ桜良、今彼になんて返事しようとした?」
「え、もちろんいいですよって言おうとしました....」
けど、それがなんなんだろう....
「へぇ〜告白の返事がおーけーなんて僕びっくりだよ〜」
「告....白....?」
今の話って告白だったの!?
「ねぇ、桜良もっかい聞くけどほんとに返事はYesなの?」
私は全力で首を横に振った。
「だよね....」
奏くんは安心したのか表情が優しく戻った。
──ポタ、ポタ、
「桜良?」
なんでだろう....
奏くんの顔を見たら涙が出てきた。
「奏くん....っ」
私にはもう、奏くんしかいなくなっちゃった。
「どうしたの、僕に言ってごらん?」
私を慰めるように背中をさすってくれる。



