──あの日から数日がたった。





あれからエスカレートすることはなかったがなくなることはなかった。



気のせいだと思っていたものは確かになり、この間はロッカーに紙が入っていた。




私の悪口が沢山書かれた紙がロッカーいっぱいに。




奏くんもやっぱり忙しいみたいでいじめの犯人を特定出来ていないみたい。







エスカレートしないことにいつの間にかホッとしていた私は油断していたみたいだった。






「私、ゴミ捨ててきますね」





クラスの掃除の時間、私はゴミ箱を持って教室を出て外にあるゴミ捨て場まで向かった。





「おーい桜良ー!」



優くんの声に振り向くと持っていくのを忘れたダンボールの箱を持って来てくれた。



──直後だった。



背後に何かが通った気配がした後にガシャンッと何かが割れた音がした。