泥甘な恋に溺れて



──コツコツ。




前から誰かが来る足音がした。



早く経たないと邪魔になっちゃう。




立ち上がろうとした瞬間足に痛みが走った。




「いた....っ」



どうやら足くじをひねってしまったみたいで立ち上がれなかった。




どうしよう....



足音はどんどん近づいてくる。



邪魔になっちゃう....




せめて邪魔にならないようにと端の方に避けた。




早く通り過ぎることを願っていたら足音は私の前でピタリと止まった。




「桜良....」



声に気づき顔を上げると酷く驚いたような顔の奏くんが立っていた。




「奏....くん....?」



なんでこんなところに....




「桜良どうしてこんなところに座ってるの?」



私の前で膝をついてそう問いかける。