泥甘な恋に溺れて



奏くんも忙しそうだし。



学年が違うから廊下ですれ違うこともない。



学校が始まって1週間は経つけど結局一言も話せていない。


「そうか....」



優くんは何を考えてるのか、窓の外の景色を眺めながらそう一言、言った。



















「桜良ちゃんおはよう」



昇降口に入ると胸元で小さく手を振る小柄な女の子が私たちの方にパタパタとやってきた。



「萌奈ちゃんおはようございます....」



彼女は桐崎萌奈(きりさきもえな)ちゃん


私の中等部の頃からのお友達。


目はパッチリとしていて可愛らしい見た目をしている。


よく分からないけど私と萌奈ちゃんは似ているらしく一緒にいるとよく姉妹に間違えられる。




「ふふっ久しぶり〜あ!優真くんもおはよう〜」



「あぁはよ....」



なんで淡々とした挨拶....



「桜良先行ってんぞ」


「あ、うん....」


ポンと私の頭に一瞬肘を置いてクラスへと行ってしまった。