泥甘な恋に溺れて



そうだよね、さっき断りの連絡が来たのに....



なんで来るかも、なんて期待したんだろう....





「おい、桜良!身体冷えてんじゃねぇか!?兄貴はどうしたんだよっ!」



自分が着けていたマフラーを私に巻いてくれる。




「優くんそんなことしなくていいです、優くんが寒くなっちゃう....」



優くんの手を止める。




「そんなことどうでもいいよ、お前何時からここにいんだよっ、頬も冷たくってんぞ....」



私の言葉なんかお構い無しに手を止めることはしなかった。



結局私は優くんにマフラーを借りてしまった。




「.....奏くん、来れないそうなんです」



独り言のように話し始めた。


「どうしても外せない用事が入ったそうで....ちゃんと連絡くれたんですけど....」



奏くんなら来てくれるんじゃないかとどこかで期待していた。



でも、来なかった。



「桜良.....」



「しょうがないんですけどね....」


そう、''しょうがない''....



そう自分に言い聞かせる。