奏くんは勉強を教えてくれるだけ.....教えてくるだけ..... と呪文のように頭の中で繰り返し言い聞かせた。 「ほら、桜良こっちにおいで」 手招きされ奏くんのいる方へ向かう。 いつも奏くんが使っている机の椅子に座らせてもらう。 その横に奏くんが座っていて奏くんとの距離はもう5センチにも満たない。 奏くんの声が耳元に直で話している感じがする。 もう、ドキドキし過ぎて勉強どころではなかった。