一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない


「ふ~ん...
かよ子は神崎さんのこと好きなの?」


「違うよ...
だけど...晩一緒にいて今朝別れるとき
なんか寂しくて...早く会いたいなって...」


「フフッ...かよ子それもう好きなんじゃない?」


「やっぱり...そうなのかな...」


「好きになったらずっと一緒にいたいって
思うものよ...」


「実はね...神崎さんからホテルに飾る絵を
描いてほしいって頼まれてて...
来週から絵が完成するまでの間
神崎さんのところに
居候することになったんだけど..」


私は照れ臭さを誤魔化して紅茶をすすった。


「そんなに話が進んでたとは...
好きならいいじゃない!」


「う~ん...でも...

もし長い間一緒に住んでしまったら...
離れるとき耐えられるのかなって...
不安になっちゃって。
神崎さんモテるだろうし...」


「まあ...神崎さんはモテるだろうね...
だからって最初から離れること考えちゃダメよ!
恋をしたら誰だって不安になるものなの!」


「そうなの...?」


「うんうん!
モテる要素のない啓太でさえ
不安になってたわ...」


メグは思い出したように
フフッと微笑んだ。


「そっか。ありがとう。

なんかモヤモヤしてた気持ちが軽くなった
気がする...」


「かよ子は一人で悩んで自己完結しちゃうとこあるからね...
ちゃんと不安になったら
神崎さんに思ってること言うんだよ!」


「うん...出来るかな...」


私はカップを置くと、ハハッと苦笑いした。


「ようやくカヨ子と恋ばな出来て
嬉しいな...
たまには連絡してよ?」


「うん...ありがと...」


それからメグと昼食をすませると
半休だからとメグは会社へ向かった。

それから引っ越しの日まで
荷造りや部屋の片付けをして過ごした。


そして不安とワクワクが入り交じった気持ちの中で神崎さんが迎えにくる日曜の朝がきた。