神崎さんの家を車で出て来てから2時間弱。

ほどなく運転していると遠くに見慣れた白い家が姿を現した。

あれ...? あの車...

そして私はよく見知った一台の赤い車が
家の前に止まっていることに気付く。


やっぱり、メグの車だ!!


私はアクセルを踏む足に力を入れた。


そして自分の車をメグの車の隣に停めると
メグも気付いて車から降りてきた。


「かよ子っ、昨日から家に電話してるのに
全然でないから心配したわよ!」


「ごめん!ちょっと出てて...」


「神崎さんのとこ?」


「う~ん...まあ......
と、取り敢えず中に入ろ!」


私は何だか恥ずかしくなり
話を反らすと家の中に入って行った。


一日留守にした家の中は
むわんとした空気が漂っていて
私はすぐに窓を開けると
二人分のお茶の準備し始めた。

「昨日、啓太から聞いたんだけど...
神崎さんに掛け合ってくれたんだって?」

メグは私に問いかけながらダイニングチェアに腰をおろした。


「うん...勝手なことしてごめんね...
私には何もしてあげられないから...」


私はメグの前に紅茶を入れたカップを置くと
向かいのいすに腰をおろした。


「ううんっ
かよ子が掛け合ってくれたおかげで
式も予定通り挙げられそうだよ!
ほんとにありがとう...」


メグは瞳に涙を浮かべながら
私に向かって深く頭を下げた。


「や、やめてよ!
私は何もしてないんだから
お礼なら神崎さんに言って!」


メグは慌てた様子の私を見て
フフッと笑うとカップに口をつけた。


「神崎さんとはもう付き合ってるの?」


「つ、付き合ってないよ!」

「でも昨日の夜は
神崎さんのお家に泊まったんでしょ?
何もなかったの?」

そう言ってニヤリと見つめるメグに
私は顔が熱くなり、持っているカップに目を反らした。


「あ~何かあったんだ!
かよ子は分かりやすいわね!
もうエッチしちゃった?」


「エッ...!?してない!?
キスしかしてないよ!あッ...」


ハッと口をおさえる私に
メグはニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべた。