一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない


カヨ子が夕飯の買い出しに出掛けたころ
翼と総司は料亭ひらきに到着し
お座敷へと通されていた。


「今日はお忙しいところ、
急遽貴重なお時間を割いて頂き
ありがとうございます」


俺と総司は向かい側に座る啓太くんに
向かい深々と頭を下げた。


「いえいえ、神崎社長!顔を上げてください!
ちょうど今日は店を臨時休業していたので...
ところで今日はどういったご用件でしょうか?」


キョトンとした顔をしている啓太くんに
俺は真剣な面持ちで話始めた。


「実は今日カヨ子さんから平木さんの料亭で
トラブルがあり困っているとの話を聞きまして...
不躾ながらもこちらで
色々と調べさせて頂きました。」


「カヨちゃんが...?
あぁ、そうか...メグから聞いたんだな...
いやはや、お恥ずかしい話です。
叔父を信頼しきって任せていたんですが、まさか裏で隠れて店を担保に借金していたとは...」


啓太くんはそう言うと苦虫を噛み潰したような顔で膝の上に乗せた手を強く握り締めた。


「平木さん、あまりご自分を責めないでください。
親族なら尚更疑うことは難しいでしょう...
カヨ子さんは今回の件で友人が婚約解消されたことに深くショックを受けています。
友人が泣いているのに
自分は何もしてあげることが出来ないと...」


俺はの言葉に啓太くんの目から涙が溢れ出し
服の袖で目元をゴシゴシとぬぐった。


「すみません。神崎社長の前で泣くなんて...」


涙を必死でぬぐう啓太くんに
俺は優しく微笑みながら首を横に振った。