一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない



「ねえ?かよ子?
後ろから見ておかしなとこない?」

控え室で
ウエディングドレスの衣裳に
身を包んだメグが
鏡越しにかよ子に問い掛けた。


しかし、かよ子は
アンティーク調の白いソファーに座り
スピーチの原稿をボーッと眺めたまま動かない。


「かよ子!!」


メグは大声でもう一度かよ子を呼ぶ。


「えっ?」


ようやくメグの声が届いたかよ子は
ハッと肩を震わすと
鏡にうつるメグに視線を向けた。


「あれっ、メグもう着替え終わったんだね...
ヘアメイクさんは?...」


キョロキョロと辺りを見渡している私に
メグは呆れた様子で
はぁっと溜め息をついた。


「ヘアメイクさんなら
とっくに部屋を出ていったよ。
ねぇ?
かよ子、なんか今日変だよ?
さっきから、ボケーッと原稿を眺めてるし。
それに、ずっと無理してる感じがする...
神崎さんと喧嘩でもしたの?」



「そ、そんなことないよ!
スピーチなんて初めてだから緊張してるだけ...」


私はメグからサッと視線を外すと
動揺をさとられないように原稿に目を落とした。


「ぷっ、何年友達やってきたと思ってるの?
どうせ、私の結婚式だからって
気を遣ってるんでしょ?」


私は、原稿の端を握り締めると
唇を噛み締めながら、うつむく。


「何があったの?
聞いたげるから...」


そんな私にメグが優しく尋ねる。