一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない

「聞いてない...」


俺は血の気が引いたような表情で
総司の手紙を受けとる。


「もうかよ子さんに会えないんですか...?
そんなの、嫌です...」


瑠花はその場で泣き崩れた。



嘘だろ...?



かよ子さん、何で何も言わずに
居なくなったりするんだよ...



俺はドサッと椅子に腰を下ろす。



そして、震える手で便箋から
紙を取り出すとゆっくりと手紙を開いた。





『神崎さんへ


最初に謝らせてください。

黙ってアトリエに戻ってごめんなさい。

沢山、嘘をついてごめんなさい。

ずっと一緒にいるって約束したのに

守れなくてごめんなさい。

本当は直接お別れを言いたかったのですが、

神崎さんと向き合って

ちゃんとお別れを言える自信がなくて...

手紙でお別れを告げることを許してください。

私は神崎さんと出会ってから

神崎さんから沢山の幸せをもらいました。

そんな神崎さんに

私は何をしてあげられるかなって

ずっと考えてたんです。

最後に私に出来ることは

別れを選ぶ選択でした。

私では本当に神崎さんを幸せにすることが

できません。

神崎さんには、

神崎さんのことを大切に思っている人達に

心から祝福される結婚をしてほしいです。

私にはそれを叶えてあげることができません。

今は辛くても、いつかきっと

この選択が間違っていなかったと言える日が

くることを願っています。

あと、私からの最後のお願いです。

仕事ばかりしてないで、

たまには体を休めてくださいね。

あと、朝もちゃんとご飯を食べてください。

それから、お母様とも仲直りしてください。

お母様はちゃんと神崎さんのことを

一番に考えてくれてますよ。

それからそれから、

必ず幸せになってください。

楽しい思い出をありがとうございました。

杉崎かよ子』