一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない

かよ子がアトリエへ帰った翌日、
紅葉はようやく病室のベッドで目を覚ました。


ベッドの横に備えられた椅子には
何がそんなに楽しいのか上機嫌で鼻唄を歌いながら林檎の皮を剥いている源蔵の姿があった。


「ここは?」


そう言って紅葉は体を起こす。


「やっと目を覚ましたか。
もう二日も眠っていたんだよ。
仕事好きも程々にせんと
体を壊したんじゃ、もともこもないぞ。
ほらっ、
かよ子ちゃんが買ってきてくれた
林檎でも食わんか?」


そう言って、
源蔵はフォークに刺した林檎を差し出した。


「ええ...後でいただくわ。
先になにか飲みもの無いかしら。」


「ははっ。二日も寝ておれば
喉もカラカラか。
飲みものもかよ子ちゃんが
買ってきてくれたよ。
お茶とスポーツ飲料どっちにする?」


源蔵は病室に備え付けられた簡易冷蔵庫を
開けながら、紅葉に問いかけた。


「お茶にするわ」


紅葉はペットボトルのお茶を源蔵から受け取ると渇いた喉に一気に流し込んだ。