一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない

長い時間、お風呂に入っていた私は
フラフラになりながらパジャマに着替えると
脱衣場のドアを開けた。

すると、目の前の大きな影に視界を塞がれた。


「か、神崎さん!」


ドアの前に心配そうな表情で
神崎さんが立っていたのだ。


「お風呂から出てこないから
溺れてるんじゃないかと心配になったよ」


「あっ、すみません...
酔いをさまそうと思って...」


目線を下におろし
肩にかけたタオルで
赤く火照った顔を隠そうとしている。


神崎さんはそんな私の頬を両手で包んで
グイッと顔を上げさせた。


「飲んだ後の長風呂は危ないよ...
顔も赤くなってるし、
あれっ...目まで赤くなってる...?」


神崎さんが訝しげに眉をひそめた。


「アルコールとちょっと長湯し過ぎて
逆上せたせいかもしれません...」


「びっくりした...泣いたのかと思ったよ。
今度飲んだときは心配になるから
一緒に入ろうか」


神崎さんはニッと悪戯な笑みを浮かべた。


そんな神崎さんに私はフフッと目を細めると
「そうですね...」と、呟いた。


私の思いがけない返答に神崎さんは
「えっ、えっ!ほんとに!、?」
と、まるで宝くじでも当たったかのように
驚いている。


「はいはい、明日は早いんですから
お風呂入って来てください!」


私は誤魔化すように神崎さんの背中を
グイグイと押して脱衣場へ押し込めた。


「かよ子さん、絶対に約束だよー」


ドアから顔を覗かせて
念押しをする神崎さんに「はいはい」と
笑いながらリビングへと入っていった。