それから30分も経たないうちに
お義父さんが病室を訪れた。
お義父さんはベッドの上で
グッスリと眠っているお母様を見ると
「まったく、心配かけおって。
こう倒れられたんじゃ
心臓がいくつあっても足りんわい...」
そう言ってホッと胸を撫で下ろした。
「かよ子ちゃんも驚かせてしまって
すまないね。
仕事好きも程ほどにせんと
もう若くないというのに...」
お義父さんは困った顔で私に笑いかけた。
私は遠慮ぎみに微笑むと
「いえ....」
と、首を横に振った。
「あの、これさっき下の売店で
買ってきたんですが、
お母様の好みが分からないので
色々と買いすぎてしまって」
そう言って、飲み物や食べ物で
パンパンに膨らんだ袋を
お義父さんに差し出した。
お義父さんは袋を受け取ると中をチラッと覗く。
「こんなに沢山、かよ子ちゃんありがとう。
紅葉が目を覚ましたらきっと喜ぶよ」
お義父さんは柔らかい笑みを浮かべた。
「大したものではないので...
あの...私...
仕事部屋をそのままで来てしまったので
そろそろ失礼します」
「そうか...
紅葉が目を覚ましたら伝えておくよ。
忙しいときにありがとうね。
また、我が家にも遊びに来ておくれ」
「はい、ありがとうございます」
私は無理矢理、笑顔を作ると
二人を残して部屋を出ていった。



